私戦4
一つの終わりを目の前にして、ほんの少し、ほんの少しだけど追いすがってしまった。
その一つの終わりは、僕にとって本当に意味があって、或いは、僕以外の何者かについてもはるかに意味のある、何か。
終わりは、来る。
全てに。
僕は時折、全ての終わりが来なければ、と思う。
何者にも終わりがなければ、儚いと言う言葉が地上から消え失せる。それをただ一人待っている。
終わらなければ、終わりさえなければ、全ての幸福が久遠の彩りの中で絶命せずに済んだのに。
そんなことをふと考えている。
君と出会えて、君たちと出会えて、全てが永遠に続いてほしい。
全ての幸福が全ての幸福のうちに生き絶えたい。離したくない離さないでくれ、世界。
心通わせた全てが僕よりも先に絶命しませんように。
祈り。
そればかり考えている。僕を生かした全てが、僕を生かすであろう全てが、消え失せず、より良い形で生き永らえますように。
僕の全ての祈りであり、全ての願い。
死して尚続きうる命題に違えない。